地役権設定登記
地役権とは、2つの土地の所有者が契約することにより、一方の土地の便宜を図る目的で、他方の土地の上に設定される権利のことです。便宜を受ける土地のことを要役地、便宜に供される土地のことを承役地といいます。また設定の目的には、特に制限がなく、おもに次のような目的で設定されます。
地役権設定のおもな目的
- 通行
- 水道管の埋設
- 日照の確保など
地役権の登記記録例
地役権設定の登記がされた承役地の登記簿の見本です。
権利部(乙区) (所有権以外の権利に関する事項) | |||
順位番号 | 登記の目的 | 受付年月日・受付番号 | 権利者その他の事項 |
---|---|---|---|
1 | 地役権設定 | 平成28年1月13日 第12345号 |
原因 平成28年1月13日設定 目的 通行 範囲 南側15平方メートル 要役地 昭島市郷地町一丁目○番○ 地役権図面第○号 |
地役権設定登記の必要性とは
地役権の登記をするメリットは、それまでご近所さんのご厚意で利用していた通路などが、もし相続や売買などによって所有者がかわってしまったときにも引き続いて使用できる点です。登記された地役権は仮に所有者がかわったとしても主張できる強力な権利です。逆に、ご自身の土地に地役権を設定する場合にはこの点をよく考慮する必要がございます。
地役権設定登記に必要なもの
地役権設定登記に必要な書類は次のとおりです。
承役地の所有者が準備するものは次のとおりです。
- 印鑑証明書
- 土地の登記済証(権利証)または登記識別情報
- 実印
- 本人確認書類
要役地の所有者が準備するものは次のとおりです。
- 認印
- 本人確認書類
上記のほかに地役権図面が必要な場合がございます。
地役権図面とは
地役権は、登記申請の際にその「範囲」が登記事項とされています。承役地の全部が地役権の目的となる場合は「全部」と登記すれば足りますが、承役地の一部のみが地役権の目的となる場合は、「南側15平方メートル」などと登記したうえで、その部分を図示した地役権図面を添付しなければなりません。
登録免許税
地役権設定登記の登録免許税は、設定する承役地の個数をもとに算出いたします。
登録免許税 = 1,500円 × 承役地の個数
例)土地Aを承役地、土地Bを要役地とする地役権設定の登録免許税は、1,500円となります。
報酬及び費用
地役権設定登記に要するおもな費用や報酬は次のとおりです。
手続名等 | 報酬 | 登録免許税等 | 備考 |
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地役権設定登記申請 | 88,000円~ (消費税込) |
承役地1個につき1,500円 | ※ |
地役権設定契約書作成 | 11,000円~ (消費税込) |
登記とあわせてご依頼いただく場合の価額です。 |
※承役地が2筆以上の場合、2筆目以降1筆につき2,000円(税別)の報酬を加算いたします。承役地が2筆以上場合でも所有者が異なるときは、それぞれに報酬を申し受けます。ただし同時に申請する場合には2筆目以降は、基本報酬の2分の1とさせていただきます。