優星リーガル司法書士事務所


  1. 不動産の共有持分の放棄

不動産の共有持分の放棄

依頼内容

婚姻中に購入したマンション(評価額1,000万円)があります。名義は私、甲野花子(持分5分の1)と、元夫、甲野太郎(持分5分の4)の共有です。購入後しばらくして離婚し、いまは居住していません。自己の共有持分5分の1を放棄できますか。
(仮名です、実際の依頼と一部内容を変えてあります。)

持分の放棄とは

民法第255条によると、持分の放棄とは、共有者の一人が自己の持分を放棄することです。持分の放棄ができる前提として、放棄するものが共有物である必要があります。民法では共有物の持分についての放棄のみが規定されているためです。

(持分の放棄及び共有者の死亡)
民法第255条 共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する。

共有物の持分を放棄すると、放棄された持分は他の共有者の持分に帰属します。残された共有者が複数の場合には、各共有持分の割合に従って持分が帰属することとなります。

不動産の共有持分を放棄するとどうなるか

土地や建物など不動産の共有持分を放棄した場合は、上記の規定に従い、他の共有者に所有権が帰属することとなります。そしてこの場合の登記は、持分放棄を登記原因とする所有権移転登記を申請することになります。事例では甲野花子さんから甲野太郎さんへ持分全部移転登記をします。

持分放棄の登記記録例

共有持分の放棄がされた不動産の登記簿の見本です。事例の甲野花子さんが自己の共有持分を放棄し、所有権が共有者の甲野太郎さんに移転しています。

権利部(甲区) (所有権に関する事項)
順位番号 登記の目的 受付年月日・受付番号 権利者その他の事項
所有権移転 平成16年9月15日
第34567号
原因 平成16年9月15日売買
共有者 東京都東大和市南街一丁目○番地の○
持分5分の4 甲 野 太 郎
東京都東大和市南街一丁目○番地の○
5分の1 甲 野 花 子
2 甲野花子持分全部移転 平成28年2月12日
第9876号
原因 平成28年2月12日持分放棄
所有者 東京都東大和市南街一丁目○番地の○
持分5分の1 甲 野 太 郎

持分放棄の登記とは

共有者の持分の放棄は単独行為と言われております。単独行為とは、契約とは異なり放棄する人の意思表示にのみによって、持分放棄の効果が生じるということです。

しかしながら、不動産登記においては共有不動産の持分放棄による所有権移転登記は、放棄する人(義務者)と他の共有者(権利者)との共同申請の形式が取られております。

つまり、共有持分の放棄は共有者がいつでも自由にすることができますが、持分放棄の登記については他の共有者の協力なくしてはできないということになります。

持分の放棄 いつでも自由にできる(単独行為)
持分放棄の登記 他の共有者の協力が必要(共同申請)

持分放棄と贈与の違い

持分の放棄と似た効果を生じさせるものに、贈与による所有権移転があります。以下にその相違点を挙げます。

持分放棄と贈与の違い
  持分放棄 贈与
形式 単独行為 契約
移転する相手 他の共有者 だれでもよい
登記の形式 共同申請 共同申請

贈与の場合は、契約によって誰にでも移転することができます。持分放棄の場合は単独行為といいながらも、登記には相手の協力が必要なため、実務において贈与の場合と大きな差異はないといえます。

持分放棄と税金

持分放棄で注意すべきことは、放棄した場合の税金についてです。持分の放棄は税法上は贈与とみなされ、持分を取得した他の共有者に贈与税が課されるおそれがあります。

これは持分放棄を贈与税の課税逃れのために利用されることを防止するためと言われております。事例では他の共有者である甲野太郎さんに贈与税がかかってしまうおそれがあります。持分を放棄する場合には、この点に注意し、心配な場合には税務署や税理士に相談される方がよろしいでしょう。

持分放棄登記の必要書類

持分放棄の登記を申請する場合の必要書類は次のとおりです。

持分を放棄する甲野花子さんが準備するもの

  • 登記済証(権利証)または登記識別情報
  • 印鑑証明書※1
  • 固定資産税評価証明書
  • 実印
  • 本人確認資料

他の共有者である甲野太郎さんが準備するもの

  • 住民票
  • 認印
  • 本人確認資料

※1 発行日から3ヶ月以内のものが必要です。

登録免許税

持分放棄の登記の登録免許税は、固定資産税評価額をもとに算出いたします。

登録免許税 = 固定資産税評価額 × 1000分の20

事例における評価額1,000万円のマンションの持分5分の1を放棄した場合の登記の登録免許税は、4万円となります。

固定資産税評価額は登記申請する年度の価格が基準となります。上記登録免許税に基づき司法書士の報酬が加算されます。

報酬及び費用

持分放棄による所有権移転登記に要するおもな費用や報酬は次のとおりです。

費用一覧
手続名等 報酬 登録免許税等 備考
所有権移転登記申請
(持分放棄)
55,000円~
(消費税込)
不動産価格の1000分の20

※移転する価格が1,000万円を超える場合、1,000万円ごとに5,000円(税別)を加算いたします。また申請する不動産が2個以上の場合、1個につき2,000円(税別)を加算いたします。

ご請求例

事例において優星リーガル司法書士事務所から甲野花子さんへのご請求は次のようになります。

手続名 報酬(円) 登録免許税等(円)
所有権移転(持分放棄) 55,000 40,000
登記簿閲覧   337
登記事項証明書取得   500
合 計 95,837円


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